こんにちは。にちにち寫眞(にちにちしゃしん)フォトグラファーの山本ミニ子です。
先日、延びに延びた運動会がようやく行われました。
私は仕事で見送りもできず早朝に出発、娘は前の晩から熱を出し、朝から病児保育へ。
結局息子と夫のみの参加となりました。
11時に1件目の仕事を終えると、夫からLINEで写真が届いていました。
それがコレ。
端っこで球も持たずに耳を塞いでしゃがみこんでいるのが息子です。
もう、ね、笑ってしまいました。
でも、めっちゃ良い写真だなぁと思ったわけです。
実は息子、運動会行きたくないって言ってたんですよ。
なぜなら、ピストルの音が怖いから。
何を隠そう、うちの息子はかなりのビビリで、風船は割れるのが怖くて近づけないし、レンジやオーブンの「チン!」や瓶の蓋を開ける音が怖くてその場を離れるほど。
写真を見て、これこそ「息子4歳の運動会」を余すところなく伝える一枚だ!と思いました。
夫は一眼レフはフルオートモードしか使えない素人で、写真に対する情熱も普通のお父さん以下、この日もスマホしか持たずに応援に行きました。
それでも時々、ほんとにごくたまに、これは!というのを撮ってくるから侮れません。
こんなシーン、業者さんは撮ってくれませんよね。
実は1枚目、よく見ると業者さんも写ってます。
息子と反対側の端で、球を投げる子供達をハイアングルで狙っていますね。
わかる、わかるんですよ。
私も業者として来ていたらこうやって撮ります。一生懸命上に向かって球を投げる子供達の生き生きした表情を、なるべくたくさん撮るにはこうするのが一番です。
「売れる写真をとにかくたくさんたくさん撮る!」が鉄則のスクールフォトですから。
その競技らしさが一番効率よく撮れるであろうポジションを決めたら、何も迷わずひたすらシャッターを切り続けるのがセオリーです。
でも、「その子らしさ」が現れるのは、そんなハイライトシーンばかりではないんですよね。
私も決まった幼稚園、保育園、中学高校にスクールフォトの撮影で毎年お邪魔してるのですが、通ってるとお顔もキャラクターも覚えてくるし、成長を見ている分愛情を持ってひとりひとりを丁寧に撮りたくなります。
が、そうも言っていられないのが運動会のような決まったプログラムで進んでいくイベント撮影で、とにかくめちゃくちゃ限られた時間で「全ての子を平等に、撮り漏らしなく、まんべんなく」を優先すると、どうしても効率を考えた「作業」のようになってしまう面があるのです。
一方、親御さんの撮る運動会写真は、我が子だけにいつも注目して撮るわけなので、競技のメインではないところや何でもない瞬間に起こる、地味だけどその子らしい瞬間を捉えることができるんです。機材や技術の差をもってしてもそこには越えられない壁があるなぁと感じています。