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2018-04-11

『絆創膏が似合う男 息子の七五三予行演習を撮りました@八王子市』

撮影の前日に顔を怪我してしまったら…

 
高いお金を払ってプロカメラマンを予約して、着物やら着付けやら手配して、親族のスケジュールを調整していざ撮影!という日の直前に主役が顔に傷を作って帰ってきたら…
 
 
「ちょっと、なんでよりにもよってこんな日に…!!」
 
って小言の一つも言いたくなりますよね。
わかります。
 
先日まさに息子がやらかしてくれまして、
着物も自前で、練習なので親族も集めてなければ高いお金を出してプロカメラマンの予約もしてない私ですら、一瞬そう思いました。
 
 
しかし、常日頃から「ありのままを如何に美しく愛おしく撮るか」に命を懸けている私がここで怯むわけにはいきません。
 
本人が気にしていない以上、このまま撮るのが一番いいと気を取り直し、予定通り着物を着せ、七五三の予行演習と称した和装撮影に出かけました。
 
さて、どんな写真になったでしょうか…
 
 
 

 

お迎えに行くと左頬に絆創膏姿で現れた息子。

アスレチックにぶつけたという。

これぐらいの怪我はしょっちゅうなので、

心配よりも先に「ちょっと…よりによって顔!!明日お写真撮るんだけど…!」という言葉がつい出てしまい、反省。

本人は全く気にしていない。

 

翌朝、「絆創膏取ってみる?」と聞くと、「剥がす時痛いから取らない。絶対取らない。」と跳ね除けられる。

やんちゃなくせに、痛いのと怖いのにはめっぽう弱い息子。

こりゃ無理だな。

諦めてまじまじと見てみると、なんだかそのままでもとってもいい雰囲気に思えてくる。

まあ、らしくていいか。

「今日は早くお迎えに行ってお着物でお写真撮るよ。」

「どうして??」

歓迎も拒否もしない態度で聞きたいことだけ一通り質問すると、妹とおもちゃの取り合いを始める、いつも通りの朝。

 

お写真には興味がなくても、妹を置いて自分一人の早いお迎えは嬉しいらしく、

いつもより2時間半早く迎えに行くとウキウキで飛び出してきた。可愛い奴め。

 

着物のお直しと着付けは下の子慣らし保育中のママ友宅へ。

1年前に買って大き過ぎて着せるのを諦めていた着物が、いつもの間にかジャストサイズに。

散髪が間に合わなくて伸び放題の髪にムースをつけてもらったら、

よく見る子どもスタジオのチラシのモデルみたいになって笑ってしまった。

  

これまで何十人という五歳男児の七五三を撮ってきたけれども、

我が子を撮る、しかも二人きりで撮るというのは全く別の難しさがある。

案の定集中力は全く持たないし、

着崩れるを通り越して完全に脱いでしまっているし、

お互い甘えが出て撮れるまで粘ろうという気が起きない。

けれど、私が撮る息子の写真はこれでいいのだと思う。

本番は信頼できるプロにお願いしているしね。

 

そして、絆創膏は、無理に剥がさなくて大正解だった。

写らない角度で撮るとか、小道具で隠して撮るとか、いくらでも写さない方法はあるのだけれど、

結局いいと思えるショットのほとんどが絆創膏のバッチリ写る左側からだったのは、そういうことだ。

 

五歳の息子には、絆創膏姿が、最高に似合っていた。

 

 

 

人は完璧でないものに愛おしさを感じる

 
というわけで、絆創膏と和装のコラボ、結果的に大成功でした。
 
写真の神様があえてこの日を選んで怪我させたんじゃないかと思うぐらいしっくりきています。
 
 
そして何より、将来この写真を見返した時に蘇るであろう、今の私の感情を保存できたこと、
それが良かったと思っています。
 
どんな感情かというと、
 
「あーあ、もうどうしようもないなぁ」
 
という気持ちです。
 
やんちゃなお子さんをお持ちの親御さんなら、またはちょっと抜けてる恋人やパートナーをお持ちの方ならお分かりいただけるかと思うんですが、
この、
 
「あーあ、もうどうしようもないなぁ」
 
という気持ちは、決して全面的にネガティブなものではなくて、
 
「うちの子ったらまったく仕方ないなぁー、手がかかるほど可愛いってやつよね、またこれで自虐風自慢のネタができたわ」
 
というような、
 
関西の人が「うちのオカンな、」と言ってオカンの爆笑失敗エピソードを話す時みたいな、愛に満ちた感情でもあるんですよね。
 
 
完璧な人よりちょっと抜けてるところのある人の方が愛されやすかったり、
ちょっとクセのある道具の方が愛着が湧いたりしますよね。
 
きっと写真も同じで、ポスターのような完璧な一枚より、
ツッコミどころがあって、周辺のエピソードが思い出されるような写真の方が、
より長くその価値を持ち続けると思うのです。
 
私なんかはこの日の写真を見ると
「そうそう、これこそうちの子の今だわ」
と何度もクスッときてしまい、同時に愛おしくてたまらなくなるのですが、
きっと10年後に見てもそんな気持ちが蘇ると思うのです。
 
 
 
 
とはいえ。
 
一般の方にとって、せっかくプロに撮ってもらう写真というのは「きちんとした姿」も一枚は残したいものというのもよく分かります。
また、写る本人が傷や怪我を気にしている場合は無理に写真に収める必要もないと思っています。
 
ですので、
もし撮影直前に傷ができてしまった場合、写らない、目立たせないような工夫は色々とできますし、
ご希望であれば修正もいたしますのでご相談くださいね。
(1ヶ所500円から別途お見積もりいたします)
 
今回の場合こんな感じで、綺麗に消えますよ。
 
 
 
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