一人っ子時代の日常を残したくて @東京都中央区
こんにちは。にちにち寫眞(にちにちしゃしん)フォトグラファーの山本ミニ子です。
なんと宣言通り、過去最高のペースでブログ更新しております。
今回は、お客さまの日常撮影を連日一生懸命ご紹介するシリーズ第2弾です!
第二子お誕生前の蜜月を
ちょうど1年ほど前、5月のよく晴れた日。
東京都中央区にお住いのママさんからのご依頼です。
ママさんはこの時第二子を妊娠中。
夏の里帰り出産前に、今いる上のお子さんだけを見つめて暮らす時間を、形として残したいということでした。
ご自宅に到着すると…
おそるおそるこちらの様子を伺う1歳9ヶ月くん。
逃げたり
ママにしがみついたり
泣き出したり。
初めてお会いする小さなお子さんは、はじめの数カットは警戒心丸出しなことが多いのですが、その反応はとっても自然なもの。
私は大好きなのですよ。
そんな時は焦らず慌てず、そういう姿も少し撮らせてもらった後は、
無理に話しかけたりもせず、距離をとって、家族の時間をそっと観察させてもらうのがミニ子流。
大丈夫、時間はたっぷりあります。
にちにち寫眞の撮影は一般的な出張撮影に比べて、撮影時間をかなり長く設定しているのですが、
それは、私が撮りたい「いつもの」姿を見せてもらうためには、時間をかけて空気のようにカメラの存在に慣れてもらうのがいちばんだと思っていることも理由の一つなのです。
というわけで、手始めに、大好きな絵本タイムです。
ほら、もうカメラのことは忘れています。子どもの没頭力って、すごいですよね。
元気よく、「てっちょ!」と言ってます。(「電車」だそうです。可愛い。)
もう、目が合っても大丈夫です!ご機嫌!
さて、お出かけ前にお着替えと、オムツ替えをば。
脱がされてもオムイチ(オムツ一丁です。言いませんか?言いますよね??)でも、遊びたいのが1歳さん。
お着替え=追いかけっこになるのが1歳さん。
やっと靴下までたどり着きました。
準備完了!いざ、出発です。
いつもの公園。いつものお砂場。
この距離感、いいですよね。いつも1歳君だけを見ているよ。
満足できたようなので、お片づけ。
さて、「日常のフォトストーリープラン」はドキュメンタリーが基本ですが、
こういう「映える」系の演出ショットも撮影時間のうちどこかではお撮りするようにしています。
いやぁ、絵になる母子だなぁ…
束の間のフォトセッションが終わった後は、遊具でもちょっと遊んで。
名残惜しいけど、帰るお時間ですよー。
抵抗むなしく。
このベビーカーも、もうすぐ赤ちゃんと兼用になるのかな。
帰ってきました。
1日に何度もお着替えするのが1歳さん。
…で、やっぱりこうなる。
ママは今からお昼ご飯を作ります。一人で遊んで待てるかな?
絵本逆さまは、あるあるです。
できました!美味しそう!
我慢できずにフライング。
子どもが食べる姿って、本当に可愛いですよね…
でもその可愛い姿を見つめている時のママのお顔も、とっても素敵なんですよ。
朝ドラ再放送タイム。そう、テレビをゆっくり観られる束の間の息抜き、大事です。
一滴残らず、完食!!
はい、じゃあママはお片づけするからこっちで待っててね。
えっ、ぼく待てないよ。
待てないよー!っという心の声が、こんなことに。
もう、仕方ないなぁ…ってことで、またまた絵本タイムです。
本当に絵本が大好きなのね。図書館をがっつり利用しているとのこと。いろんな本が見られて最高だね。
こうしてお客さまの丁寧な子育てを間近で見ていると、自分の子育てを振り返って、ひっそり反省モードに入ることもしばしば。
さて、実はママさん、お腹に赤ちゃんがいることを1歳さんにこれまで知らせていなかったそうなのですが、
ここで、突然のカミングアウトをしました…!! 私もびっくり。
ちゃんと分かったかな?「赤ちゃん、どこ?」と聞くと手を挙げる1歳さん。笑
自分のことだと思ったのね。
そうだよねぇ。いきなり言われてもねぇ。
ママの赤ちゃんはずっと僕だけだったんだから。
これから彼がどうやって弟くんを受け入れていくのか。まだ始まったばかりの人生の、大きな転換点。
貴重な場面に立ち会わせていただきました。
さて、そうそう、歯磨きを忘れていましたよ。
わかる、わかる、嫌だよね。でもそれはママ、髪の毛痛いよ…!!
歯磨きの攻防の次は、再びオムツ替えの攻防。
そして、またまたお着替えの攻防。1、2歳の1日は、戦いと追いかけっこの繰り返しですよね。
そして、本日3回目の絵本タイム。
あれれ、絵本に出てきたパパを見て、「パパ…」と泣き出しちゃった。パパはお仕事だよ。
いないことに気がついて、寂しくなっちゃったのかな。
そろそろカメラマンさんも帰る時間です。
えっ !それも泣いてくれるのね。 最初はあんなに警戒してたのにね。大丈夫、もう少しだけいるからね!
大人のお話があるからちょっと待っててね。
こういう時に、頼りになるのがEテレ様。
今度こそお別れです。たくさん可愛い姿を見せてくれてありがとう。
いいお兄ちゃんになってね!
関係性は、変わっていくものだから。
今回も、「日常のフォトストーリー」プラン、「ひとときの記録」コースということで、
後日、データとこちらのセットをお届けしました。
スライドショーは、こちら。
納品後、
里帰りしたママさんから近況と感想をいただきましたので、一部ご紹介します。
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私はいま、実家の△△に里帰りして出産に備えているところです。
〇〇くんは相変わらず「てっちょ」と言いますが、最近はなんどかちょっと恥ずかしそうに「てっ・・・ちょぉお・・・(か細い声)」って言います。
多分、なんとなく間違えているのに気がついたらしく、それもまた萌えです。
写真、拝見しました。良すぎです・・・。
わたしのだいすきな〇〇ちゃんがたくさんいました。
普段、好きじゃない間取りだなあって思っている賃貸マンションの部屋も愛しく見えます。
いつかこの写真を見て泣くんだろうな、と思いました。
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近況、可愛すぎませんか!
こうやってその後の様子など報告していただくの、とっても楽しみにしています。
そして、撮影の感想も、本当に励みになります。
間取りのくだりは、まさに前回ブログで書いていた「現実を肯定するタイプの写真」の役割を果たしてくれたことがわかって、
そんな話はお客様と全くしていなかったのに、ちゃんと伝わるんだなぁと嬉しくなりました。
さて、今回の撮影中、私が個人的にグッときたこと、それは、
「あぁ、このお兄ちゃんの一人っ子時代は、もうすぐ終わるんだな。
きっと、こんな風にママ独り占めの毎日を過ごせるのはもう最後なんだな。」ということ。
二児の母である私としては、子どもが二人になってからの上の子との関わり方は、それまでとどうしても大きく変わってしまうということを身をもって実感しています。
(これは余談ですけど、血液型とか星座占いは冷めた目で見ている私なのですが、兄弟姉妹型の性格分類は、かなり信憑性があると思ってるんですよね。
人間性って、役割とか人との関係性で作られていくものだと思うので。そういう私は典型的な長女タイプ。笑)
ママさんは、そのことにちゃんと気がついて、私に依頼してくれたんですよね。
撮影の頼み時って、どんな時でしょうか。
一つは、特別なイベントの時。
お宮参りとか、七五三とか、運動会、旅行先とか。
滅多にないことだから、記念に撮りたいと思うのですね。
二つ目は、明確な必要に迫られた時。
就活用の証明写真とか、年賀状用の家族写真とかがこれに当たります。
だからそこは、すごく商売になりやすいんです。
でも、私はそうではないタイミングでの撮影の魅力にとりつかれているのです。
それは、
「もうこの状態は長くはない」と思う時
ではないかな、と思います。
新生児写真、授乳写真なんかはその類と言っていいかもしれません。
私は出張撮影業界ではまだ少数派の「日常推し」カメラマンなのですが、
「コンセプトはわかるけど、需要あるの?」と聞かれるんですよね。
だって、普通の人は七五三とか、お宮参りとか、そういうタイミングぐらいしか
「よし、カメラマン呼ぼう」って頭に浮かばないでしょって。
そう、人って、切羽詰まらないと 明確なきっかけがないと、なかなか行動しないですよね。
でも、普通に日常を過ごしていても、特に子育てをしている人は、色々なタイミングで、「あ、これはもう長くはないな」と気づく瞬間があるんです。
例えば、私の日常撮影のお客様は、「もうすぐ育休明けなんです」って方がすごく多いです。
それは、期間限定の子どもと過ごせる日々がもうすぐ終わってしまうことに気がついて、惜しんでいるからなんですよね。
そういう瞬間は他にもたくさんあって、今回の「二人目がもうすぐ生まれる」というタイミングも、まさにそうなのですよね。
「もうすぐ二人目が生まれる」 だから 「マタニティーフォト」「出産撮影」「ニューボーンフォト」「お宮参り」を予約します、となりやすいところ(もちろん、それだって大大大歓迎です!)を、
私のお客様は、「もうすぐ二人目が生まれる」だから「終わってしまう上の子との二人きりの時間を残したい」という発想を持っていてくださるんですね。
ちょうど昨日、Instagramでつながりのある方々からお誘いを受けて、とっても素敵な日常写真や家族写真を撮るインスタグラマーさんたちとオンライン写真談義をしたのですが、
そこでも「どんな時に写真を撮ろう、シャッターを押そうと思うか?」という話題に対して、
「これは今だけだな」と思った時 という回答をした人に共感が集まりました。
やはり日常写真を愛する人の感覚は共通なのだな、と思うとともに、
私のサービスも、私の腕やセンスだけで成り立っているのではなく、そういう感覚を持ったお客さまの思いとの共作なのだな、という実感を強くしました。
というわけで、皆さんも、「この状態はもう長くないな、なんだか寂しいな」と思った時は、にちにち寫眞のことを思い出していただければ嬉しいです!